アロマセラピーとの出会い

それは、30歳になったばかりのときでした。当時Ayakoはコンピュータの開発の仕事をしていたOLで、朝から晩までパソコンの前でない頭をひねりながら、プログラムを組んでいたのです。

 なんせ元々は誰が見ても文系・感覚人間のAyako。それがなぜそのような仕事をしていたのか?といいますと。
そもそも理系の大学に行ったのが間違い、勘違いの始まり。授業がまったくわからなかったにも関わらず、なんとか無事卒業し、当時は運良くバブルのちょっと手前。就職はメーカーか金融関係か、という時代でした。

 大学のとき、プログラムは組んだこともなかったのですが、なんとかなるだろうと言い聞かせ、エスカレーターに乗るように就職したのでした。しかも、何の因果か、配属先は大型のホストコンピュータの開発をするという、輪をかけて難しそうな部門だったのです。
 
 毎日毎日、複雑なプログラムを考えていくのはそれはそれはたいへんでした。納期には追われるし、年を追うごとに後輩はできるし、プレッシャーの日々でした。
 
 それでも人間関係にはとても恵まれ、やりがいはあるし、安定しているし、特にやめる理由も見つからず、2年目、3年目、、、月日は流れ、8年目に突入しようとしていました。

 そして年を追うごとに、体調も悪くなっていました。

 時々お昼ごはんを一緒に食べていた会社の友達のshioちゃんは、Ayakoを自宅に呼んでくれるようになりました。shioちゃんの家に初めて御呼ばれしたときのこと。
 そこには一歩足を踏み入れると、心地よい香りが漂い、ジャズの音楽が流れ、別世界のように気持ちのいい空間がありました。

 当時、今のようにアロマセラピーがブームになっていなかった頃から、shioちゃんはいろいろな精油を買い揃えていたのです。

 そしてそんな中でのおしゃべりは楽しく、それだけでも十分心地よいのですが、更にだんな様のtotoさんが、いつもプロ顔負けとも言える、おいし〜いお料理を作ってくれるのでした。

 ”なんて、すばらしい。。。!”

同じ会社にいながら、なんという違いでしょう。毎日がストレスだらけで、唯一週末テニスをするのが楽しみだったAyakoには、こんなにも優雅で心地よい暮らしをしているshioちゃんが不思議で、うらやましくもありました。

shioちゃんは時に、お手製の香水をプレゼントしてくれることもありました。

“これ…、作れるの!?”

shioちゃんは、化学の実験のようなスポイトを採りだして、たくさんのピンから香りを選び、ブレンドしていきます。

“うわ〜、私もやりたい!”

 何度か思いましたが無精者で大雑把なわが身を振り返ると、化学の実験のような精巧な操作はとても無理そうだと、あきらめるのでした。

 けれどもその年、丈夫だった父の病気という、Ayakoにとってとてもショッキングな事があり、ついに精油を買うに至りました。動揺した精神状態をなんとか鎮めようと思ったのです。

 ”どの精油がいいのかな……。”

  雑貨屋さんでディスプレイに並べられた、たくさんの精油たちから、知っている名前で香りが想像できるもの、そう思いながら、オレンジの小びんを手にとっていました。

 。。。これが、Ayakoとオレンジの、最初の出会いでした。

 その夜、早速オレンジのアロマバスに入ったはず。。。なのですが、実はその晩のことはほとんど覚えていません。どうやら精神的動揺が大きすぎて、香りも感じないくらいだったようなのです。

 そしてその後半年くらい、オレンジは放置されたままでした。しかも。。。お風呂場で。
 (湿気と熱は精油には大敵です!)

 さて、父亡き後の実家の後片付けもなんとか終わり、久しぶりにゆったりとした気持ちでお風呂に入った夜のこと。ふと目に留まったのは、ずっと置きっぱなしになっていた、オレンジの精油でした。

“これはナマモノだったわ。早く使わなきゃ。”

お湯がたまったバスタブに、精油ビンを傾けると、香りのしずくがタタタタ.…と、お湯の表面に広がりました。そしてそれを手でかき混ぜると、オレンジの香りがふわーっと、浴室いっぱいに広がりました。

。。。その瞬間、Ayakoはオレンジの香りに包まれたのでした。

 香りが心の奥深くに、すーっと染みこむように入って来ました。初めての感覚です。
 甘い香りが優しく、暖かく、勇気付けてくれるように、漂っていました。


 
  

  それから時おり、オレンジの香りのバスタイムを楽しむようになりました。

 ”アロセラピーの香りの世界は、奥深いものがある”

  香りが生活の中に入ってきてから、確実に日々の気持ちが変わってきました。そして、少しずつ体調も良くなってきていました。かなりひどい冷え性でしたが、毎朝手浴をしていたら、少しずつ温かくなっていました。

 その頃、実家の状況の変化などで、今後のことについて考えるようになっていました。
 ”精神世界”と分類される本を読み、生きている世界だけではなく、見えない世界の存在についても信じるようになっていました。

 ”私に合う仕事ってなんだろう?”

  オレンジの甘い香りを楽しみながら、考えていました。


その香りをかいだだけで、元気になれる

温かい気持ちになり、勇気をもつことができる。

豪華ではないけれど、誰もが幸せになれる、

日常に溶け込んだ、オレンジの香り。

オレンジ

オレンジ色の皮から圧搾
   心を元気づけ、リラックスさせる
   胃を鎮静、食欲を促進
   基本的な生命力、生きる意欲を高める
   情緒を豊かに、感動する気持ちを高める
   ”生きる歓び”、生きがいを見出す