季節は春になり、会社(時代の)お友達のSHIOちゃんとだんな様が、秩父のハイキングに連れていってくれました。
お薦めのその旅館はかなりの山奥、途中、サクラや山つつじ、桃などが色鮮やかに咲いています。
舗装がまったくされていない旅館の前の道には、珍しい山の植物たちがいます。

「ねぇねぇ、これ何だろう?」
「そうねぇ、ウラシマソウかな。」

山の味わい方、野草の楽しみ方、亜矢子はSHIOちゃんたちから、教わったのでした。

秩父で山の楽しさを味わった亜矢子は、今度はひとりでハイキングに出かけたくなってきました。
元々、木々やお花は好きでしたが、アロマの香りを使うようになってからは、ますますその気持が大きくなっていました。

けれどもハイキングといっても、山登りをしたことはありません。おまけにひどい方向音痴ときています。
とりあえずガイドブックを買ってくると、「大山・丹沢コース」に目が留まりました。

”大山ならうちから電車1本でいけるな〜。”
”でも、ここは道が険しそう。。。”

そんな風に迷っていたある日、駅でふと、「大山・丹沢ハイキングコース」のパンフレットが目に留まり、そのまま電車に乗ると、隣に座った男性が、同じパンフレットを広げて読んでいました。

”やっぱり大山にしようっと”
早速リュックも買ってきました。

当日はとても良いお天気で、オニギリ作って、元気に出かけていきました。

大山の登山口には、亜矢子の親くらいの年齢のグループの方たちがたくさんいました。

「若い方はどんどん追い越していってください。頂上で会いましょう」
そんな風に言ってくれます。

登山道に入っていくと、木々のにおい、土のにおいがとても気持ちよく感じます。
それに、葉っぱの間からのぞく木漏れ日がとてもきれいで、思わず立ち止まってしばらく上を見上げていると、山が歓迎してくれているような気がしました。

道は最初からかなり険しく、息を切らせながら登っていきます。
それでも黄色や紫の小さな花たちが可愛らしく生えていて、まるで

「私たちを撮って」
と言ってるようで、思わずカメラを向けたくなります。

そして、道で会う人がみんな声をかけてきてくれます。

「こんにちは」
「若いのにえらいわね。まだまだありますから、気をつけて」

山では、亜矢子も「若い」部類に入るようです。

心配した道順も、随所にわかりやるい標識がたっていて、間違える心配もなさそうです。

道は絶え間なくゴロゴロの階段道で、さすがに疲れてきます。
もう息もたえだえ、”どっこいしょ”という感じで登っていきます。

”もうすぐだ”

最後の力を振り絞るようにして、ようやく頂上につきました。

そこは思ったより小さなスペースで、亜矢子は適当な場所にシートを広げ、お昼にすることにしました。

頂上の空気はすがすがしく、いつものオニギリが、とてもおいしく感じられます。

”よくひとりで登ってきたなぁ。。。”

自分に満足しながら、しばらくそこに座っていました。

下りの道は、人がほとんどいませんでした。
登りよりは足場は楽で、どんどん進んでいきます。

途中、視界が開け、ベンチのあるところに出ました。
隣の山の裾野が一面に広がっています。

”きれいだな〜。。。”

リュックをおろして、ベンチに仰向けになってみました。
さわやかな風が吹き抜け、鳥の鳴き声も聞こえてきます。
木々の葉っぱの間からは、柔らやかな陽射しが、優しく語りかけてくるようです。

ひとしきり休んだ後、再び下山することにしました。

しばらく行くと神社の前の太鼓橋に出ました。
前には滝が流れ、それに続く川のはじける水が、とても美しく見えました。

”水って、いつも変化し、流れているんだな。流れていれば、とても澄んでいる。ときには滝のように激しく、ときにはゆるやかに優しい川の流れのように。。。”

”私も、水のように流れていけばいいんだ”
なんとなくそう思いました。

川の水が、
”そうだよ、そうだよ”
とでも言うように、踊るように、流れていきました。
アロマセラピスト スピリチャル ボイスヒーリング