北海道・知床の旅

6月も半ばを過ぎた頃、北海道へ行きたくなりました。
どこがいいかな。。。と思いつつ本を眺め、
ヒグマや動物たちのいる、世界遺産にも登録された、知床が目に留まりました。
クマがいる森。。。どんなところだろう。。。
ちょっと怖いけど、、、でも、肌で感じてみたい。

すぐにでも行きたくなったけれど、調べれば調べるほど、これはじっくり行かねば。。。
と思い直し、ようやく旅した夏のさなかの6日間、
私なりに知床を味わってきました。



知床の森を歩いていると、草を食むエゾシカに会い、
ハイマツの間を転げていくシマリスに会い、
まるで犬のように歩いている、キタキツネに出会います。

ふと樹木の間を見上げると、
そこには赤い冠をかぶったような、ユーモラスなクマゲラ(キツツキの仲間)
が、木をつついている姿に出会います。

そして時には、姿は見えなくても、ヒグマの息吹を感じることもあります。

願わくばクマさんに出会わないように。。。
そう思いながら、クマ鈴を鳴らし、歌いながら歩くとき、
向こうではふと顔を上げ、緊張して一点を見つめるシカさんの姿。

前を歩いていたカップルが、そぉっと、「クマが出ました」と教えてくれました。
私もそぉっと、引き返します。

そんなとき、自分も森の生態系の一員になったような気が、
ほんのちょっぴり、しました。

ある種の心地よい緊張感、動物たちとの距離のとり方、
お互い尊重しあう関わり方。。。



知床のヒグマは、草やきのこやドングリを食べ、アリをなめ(大好物)、
春には餓死したシカを食べ、
秋には海から川に上って来るサケを食べます。

通常は人間を襲ったり、生きているシカを襲うこともないそうですが、
私たち人間が、危険に合ったときに逃げるのに対して、
クマくんは追いかけてきます。

シカさんたちも、クマとは一定の距離を保ちながら、生きています。



硬い溶岩の台地でできている知床は、
冬になるとオホーツク海から流氷が押し寄せ、岸壁を削り取っていきます。

そこには砂浜はなく、
切立った崖からいきなり海になります。

人の近寄れない海は、どこまでも青い。
プランクトンがいっぱい、お魚もたくさん。
それを目当てに、ワシたちがロシアから渡ってきます。

そこには無駄のない、いのちの営み、いのちの循環が繰り広げられていました。

今回は、ウトロのホテル知床に泊まりました。
ツアーのお客さんがたくさん居て、ロビーの人の多さにちょっとびっくり。
それでも部屋が広くて、角部屋で明るいし、海も見えるし。。。
最高です。
源泉の露天風呂もあったし、毎晩毎晩、ありがたや〜。。。という気持ちになりました。

こちらはウトロのバスターミナル(どこに行くにも基点になる)から歩いて20分くらい、バスターミナルまでは無料のシャトルバスもあるし、電話すればホテルからお迎えにも来てくれました。
翌日は知床五湖へ行ったものの、人の多さに、ちょっとびっくり。
日ごろの疲れも出てきて、海でぼーっとしたくなり、
といっても砂浜はないので、
観光船のクルーザーに乗ってみました。


ウトロはこんな岸壁が続きます。
そして山の上を、クマさんが歩いているのが見えた。
夕方、ウトロの名物(?)、オロンコ岩に登ってみた。
ここはお花たちの宝庫です。シカさんたちが来れないから、食べられないらしい。
これは、エゾノコギリソウ。。。かな?

前には港が見える。ツアーバスがたくさん止まってます。
ウミネコがたくさん飛び交ってる。
ニャーニャー鳴いています。繁殖期らしい。
翌日は羅臼湖へ。
ハイマツとササの、高山のような風景がいきなり広がります。

ここは静かで人が少なく、ゆっくり楽しめます。
ウトロや知床五湖の人の多さにちょっとびっくりでしたが、
ようやくほっとして森歩きを楽しみました。

道はしっかりしているけれど、
ハイマツの藪こぎみたいなところもあります。
必要以上の手入れをしないで生態系を守る、
その姿勢が伝わってくるようでした。
半分枝がとれているトドマツさん。
夏はこんなに穏やかだけど、冬の気候の厳しさ、北西の風の強さを物語るようです。
羅臼湖は、とても気持ちの良いところだった。
静かに楽しむ3、4組の人たち。

歌おうかどうしようか迷っていたら、中のひとりが
「あら、さっき歌ってた方?」(道々、歌ってたので(笑))「アメージンググレース、この風景にぴったりじゃない。歌って、歌って。」

良かった。思い切り、歌わせていただきました。

帰りはクマスズを途中落としてしまい、ええぃ、とばかり、ずーっと歌いながら戻りました。
前日クルーザーから岸壁を眺め、岸壁の岩に向かって、歌いたい、岩さんを感じてみたい、とずーっと、思っていた私。

訪れてみたのはフレペの滝と呼ばれる観光名所。
上から岸壁、そして滝を眺められます。
そこは野鳥たちのコロニー。白いのは鳥さんたちのフンです。

かなり人がいたけど、ままよとばかり歌ったとき、岸壁さんが教えてくれた気がした。

「数億年の歴史の中で、はぐくまれてきた自然の厳しさと摂理、お前のDNAに刻むが良い。私はただ在る。あり続ける。厳しさは、大いなる智恵なのだ。
なぜならあなたは、ここ(私)から生まれたのだから。そして、ここに帰っていくのだから。」

私は最後の文章、頭で理解することはできていないと思う。
でもこの言葉を聞いたとき、私の身体が何か反応していた。
翌日は朝6時にタクシーにホテルまで迎えに来てもらい
岩尾別から、羅臼岳に登りました。

登山道に入ってすぐ、祭ってあった神様が温かい感じがして、
今日一日、無事でありますよう、クマさんに出会わないよう、
と思いながら歌いました。

そしてクマスズ鳴らしながら、歌いながら、登りました。
最初はこんな、トドマツとダケカンバの林。

この時期なので、途中人には会います。
同じペースで登ってる人には、何度も会うので、
歌ってる私に、自分でも歌いだす人がいたり、
拍手してくれたり、声かけてくれたりします。
なんか可愛かった、ハートの石。
私の、きもちです。
。。。なんて。
途中お花が咲く岩峰地帯。
これは、クルマユリ。(山岳ライター・石丸さんに教えていただいた。この他にもお花の名前を訂正していただき、感謝です)
可愛くてなごむけれど、アリがたくさんいる地帯なので、
クマさんがよく来る地帯。
鈴ちゃりちゃり、鳴らして登ります。(クマさんは金属音が嫌い)
3時間ほど登ったところで、雪渓が出てきました。
正直、ストックも持ってないわ、靴もミドルカットのトレッキングシューズで、う。。。。と思いましたが、人の後にくっついて、ゆっくりゆっくり、登りました。
帰りが、こわい〜。(笑)
雪渓の辺りから、高山植物の宝庫に♪
高山植物のお花たちの可愛さといったら。。。
これは、エゾコザクラに止まる、エゾシロチョウ。
美しかった。
前を歩いていたご夫婦もお花が好きらしく、
ここらあたりは皆ゆっくり、ゆっくり、歩いています。
こちらも高山植物のお花、チングルマが咲き乱れています。
イワキキョウ。
厳しい自然環境の中で小さく咲くお花たち、こころうたれます。
チシマキンバイ。鮮やかです。
チシマクモマグサ。神々しい感じさえしました。
景色が抜けて、羅臼平に到着。
ハイマツ、ササの平原です。
ここは高山植物のお花たちもたくさん咲いてたし、
山に囲まれて、とても気持ちよかったー。
羅臼平で会った人と話していたら、キタキツネが登場。
そぉっと近寄ったら、鋭い眼光でこちらをじっと見ていた。
そぉっと写真を撮って退散。
いつまでのその鋭い瞳の輝きを失わないでほしい気がしました。
そこから小1時間ほどで、羅臼岳に到着。
溶岩のような岩がごろごろしたところでした。
知床連山に向かって、歌いました。

それからまた気持ちのよい羅臼平でしばしゆっくりした後、下山しました。往復10時間の山旅が終わりました。
(羅臼岳は、7〜10時間のコースと言われています)
翌日は山登り疲れもあって、午前中はホテルでのんびり。
午後からは温泉の滝が流れる、カムイワッカ湯の滝へ行きました。
きのうの雪渓のぼりに続き、人生初の沢登り。(笑)
滝の流れに向かって、歌いました。
知床歩きご参考

●アクセス
女満別空港から、バスで2時間位でウトロ温泉へ。予約なしで乗れます。すいてました。(知床へ入るのはほとんどがツアーのお客さんたちらしい)
斜里バス

●宿
主なところに行くのは、ウトロ温泉バスターミナルが基点になると思うので、ウトロ温泉に泊まると便利。
ホテル、民宿、たくさんあります。
バスターミナル近くにはレストランや、コンビニ、スーパーもあります。

●見所
知床五湖、フレペの滝、カムイワッカ湯の滝、いずれもウトロからバスで行けます。

●森歩き
山登りをする方ならば、羅臼湖、羅臼岳はそれほど人も多くないので、ゆっくりできます。
でも、もちろんクマさんの危険あり。心得た上で行きたいものです。
羅臼湖へは、バス便があります。
羅臼岳も、登山口までバスが出ていますが、朝晩の一便だけで、私のようにゆっくり歩く人には、時間までに降りてこれないかも。ウトロから20分くらいなので、朝だけタクシー使う手もあります。
頂上まで行かなくても、羅臼平までなら、バス便でもいけるかも。